マル秘・私が実践してきた文章作りノウハウ

文章が上手くなりたい、と強烈に思った時期がありました。広告文(コピー)というものに興味をもつ前のことです。
それまでまったく未経験の「編集」という仕事に就いたときのことで、その職場では教えてくれる人がいなかったのです。
とにかく書くことについてなら何でもいい、だれかに教えてもらいたい、と思った私は、職場近くのカルチャー教室の講座を探し、偶然見つけたのが、「コピーライター入門」講座でした。
当時は「コピーとは、キャッチフレーズなどの広告文のこと」「コピーライターはコピーを作る人」くらいの知識しかなかったのですが、「小説入門」よりは手軽かなと思い、その講座を選んだのです。
それが現在の仕事につながる出発点でしたが、詳しくはまたの機会にゆずります。
ここでは、その後、現在に至るまでに私が体験し、実践してきたことを記しておきます。
もちろん、これらをすべて実践したら上手い文章が書けるという保証はどこにもありません。これはあくまでも私が信じて実行してきたことのリストでしかないのですから。
ただ一つだけ、下のリストとは別に、これは絶対に正しいと信じていることがあります。
それは、「年齢や性別、職業、経歴に関係なく、人間の脳は使えば使うほど回転が良くなる(のではないか)」ということです。
そして、脳の回転力は、文章を書くことで高められます。
いろんなことに興味をもち、感動し、その時々に感じたこと・思ったこと・気づいたことなどを書き続けることで、脳力は上がる!
長文でなくていいのです。断片的なメモや日記、あるいはキーワードだけとか、ライフログでもいいので、とにかく書き続けること。
頭の中で考えているだけではダメ。ちょっと面倒くさいなと思っても、自分の手(鉛筆、ペン、キーボードなど)を使って文字を書くこと。
書き続けることで、さらに頭の回転が早くなります。これまで以上に、いろんなことに気づくようになり、自然に長文も書けるようになります。
私は脳科学者ではないので、こんなことで「頭の回転が早くなる」というのは錯覚かも、と思うこともありますが、これが私の実感です。
見たり読んだりすることも大切ですが、私は、それ以上に「書くこと」が確実に脳力アップにつながると思っています。
しつこいようですが、年齢や性別、職業、経歴に関係なく、脳力(=書く力)は上がる! 上げられる! あなたも、私も!
初めの頃にしたこと(一部は現在も継続中)
<書く訓練>
- メモ魔になる
- できるだけ日記を書く(毎日何かを書く習慣をつける)
- 1つのテーマ(商品など)で、1日200本のキャッチフレーズ作成を1ヶ月続ける
- ビジュアル(写真やイラスト)にコピーをつける
- 既存の広告物のコピーを隠して、代わりのコピーを作る
- 順列組合せ法(個人的な命名)…言葉をバラバラにして再構築する
- 1つの文書を、同じ語尾(です、ます、体言止め)で終えずに仕上げる(リズムが必要)
- 情報収集→メモ作成→下書き→とりあえずまとめる→納得できるまで何度でも推敲する→アウトプット
- 宣伝会議賞や広告賞に応募する
<頭の訓練>
- 新聞(社説、天声人語、素粒子などのコラム)を読む
- 広告年鑑、広告賞作品集などの優秀作品を見る
- コピー作法本を読む
- 角川類語新辞典、国語辞典などを時々眺める
- 既存の有名な発想法を試す
- 気に入った作家の文章作法、文章読本などを読む
- うた(の歌詞)を聴く…リズム感、メロディと歌詞(意味)の融合、ストーリーの展開
- ※若い方は、ある程度時間をかけて集中して訓練すると、一気に効果が出るのではないでしょうか。
現在、ふだんから心がけていること(上記に加えて)
<書く訓練>
- iPhoneでライフログをつける
- iPhoneで思いついたことをメモしてEvernoteへ送る(後日、見返す)
- iPhoneで写真メモを同様につくる(Evernoteへ送る、見返す)
- 文書作り・ブログ記事制作の前に、モレスキンポケット(手帳)で構想・プランを練る
- アウトプット(本番原稿の作成)をする…書いたものを提出する、あるいはブログなどで公開する
<頭の訓練>
- 自分で書いたもの、収集した情報などを“見返す”習慣づけ
- 人の話をしっかり聞く
- 人間の観察&背景の想像(妄想?)
- 連想ゲーム
- [書くことではありませんが]できるだけ両手を使う(たとえば私は右ききなので、iPhoneは左手で入力、瓶のキャップも左手で開け閉めするなど) …頭が活性化され、右・左脳両方の相乗効果がある(のではないか)と勝手に思い込んでます。
けっこう盛りだくさんで、私もすべてを同レベルでやってきたわけではありません。なにしろ凡人ですから。手抜きは多々しておりますので、全体としてこんなことをやってきたかな、という感じです。
ところで、文章作りというテーマでは、最後は、“いい文章、いいコピー”とは何かという話になりますが、そもそも“いい”とはどんなことかわからないと、いい文章は書けませんね。
私は、まず初めに必要なのは、“いい文章”を書こうとすることよりも、“いい文章”を選ぶセンスをもつことだと思います。
ただ、いいセンスをもっている、というのと、いい文章が書ける、というのは、やはり違うんですね。…これ以上は話が長くなりますので、「いい文章とは」については別の機会に記します。
ここでの結論は、センスを磨くには「書くことが好き、という初心を忘れずに書き続けること」が必要で、そのための多少の努力はしなければならない、としておきます。あなたが天才的な作家であればこの限りではありませんが。
以上は私の体験談です。
こんなこと、すべてわかっていると思われた方は、すごいです。ぜひプロライターや作家として活躍してください。
なるほどと思われた方は、あなたが役に立ちそうと思ったことをご自由にトライしてみてください。
あなたも末永く書き続けられますよう、祈ります。 write on
追記;今後、上記の各部分について、さらに具体的に記してみます。
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